高松市3月定例議会での質疑報告(要約)
2026年3月10日(火) 質疑の項目
1.木造住宅密集地域の抜本対策と事前復興のまちづくりについて
(1)木密地域における住環境改善に向け総合的に取し組む考え
(2)感震ブレーカーの高松型普及モデルの考え
(3)住民が主体となった事前復興ワークショップを開催する考え
2.社会的処方による孤独・孤立対策の抜本的強化について
(1)「リンクワーカー」機能の強化
(2)地域福祉ネットワーク会議の「処方プラットフォーム」化に向けた所見
(3)医療・福祉・地域の「三位一体」による支援を推進する考え
(4)若者などの孤独・孤立対策の更なる推進
3.高次脳機能障害者支援法施行にむけた施策推進と地域支援体制の構築
(1)法の設立を受けっての所見
(2)支援施策の指標を用いた実施状況を公表する考え
(3)高松市障がい者基幹相談支援センターにおける相談支援の充実
(4)新たに都道府県の努力義務となった「地域協議会」の設置を県に求める考え
1. 木造住宅密集地域の抜本対策と事前復興のまちづくり
【質問の要旨】南海トラフ地震に備え、古い木造住宅の密集地や狭隘道路における大規模火災対策は喫緊の課題です。東京都や大阪市の先進事例を引き合いに、解体・建築費の大幅助成などの「戦略的投資」の必要性を訴えました。具体的には、耐震化重点エリアを起点に関係各課が連携する5年間の集中期間を設け、解体補助金を県内最高水準の160万円以上へ引き上げ、居住中の老朽住宅も対象に含めるべきと提言しました。また、電気火災を防ぐ感震ブレーカーの高齢者世帯への無償配布や設置代行、補助額の5万円への拡充を求めました。さらに、「被災してから考える」のではなく、平時から専門家を交えて復興後の姿を住民と共有する「事前復興ワークショップ」の開催を提案しました。次世代に安全な街を引き継ぐため、大胆な予算投入と制度改革による市長の決断を強く求めました。
【答弁の要旨】市は延焼対策の重要性を認め、来年度の「高松市住生活基本計画」見直しの中で、防災力の強化と住環境の改善にむけた、施策事業を検討する。感震ブレーカーの上乗せ補助は現時点で未検討ですが、県の計画に基づき普及を強化します。事前復興については、来年度から都市計画マスタープランに考え方を盛り込み、ワークショップ開催による住民意識の醸成を検討する。
2.社会的処方による孤独・孤立対策の抜本的強化
【質問の要旨】社会的孤立は高い死亡リスクを伴う公衆衛生上の課題であり、制度の枠を超えた「人と人をつなげる」社会的処方の強化が必要です。既存の相談員や専門家を、本人の生きがいを共に創る伴走者「リンクワーカー」として機能強化し、専門研修を導入することを提案しました。また、地域福祉ネットワーク会議を「処方プラットフォーム」化し、地域の居場所を可視化するデジタルマップの構築や、住民による「市民リンクワーカー」の養成を提言しました。医療機関で孤立を検知した際に福祉へつなぐ「社会的処方箋」の仕組みや、公共施設等に誰もが立ち寄れる「暮らしの保健室」のような拠点の整備も求めました。さらに、ひきこもり傾向にある若者に対し、社会に定着しやすい教育活動や訓練を伴う「伴走型支援」の更なる強化を訴え、「日本一孤独を感じない街」を目指す市長の決意を問いました。
【答弁の要旨】市は、相談員がアウトリーチを行い、状況に応じた支援を行う「リンクワーカー」機能の強化に努めます。また、地域活動の場を「処方プラットフォーム」と捉え、医療・福祉・地域の連携を深めます。若者支援についても、個人の状況に合わせた伴走型支援や教育活動を組み合わせた新事業を実施し、対策を推進します。
3.高次脳機能障害者への支援体制の構築
【質問の要旨】令和8年4月施行の「高次脳機能障害者支援法」を見据え、当事者の権利を法的担保し、地域格差を改善する実効性のある施策を求めました。具体的には、中核市として支援施策の指標を用いた実施状況の公表を行い、透明性を確保することを提言しました。また、障がい者基幹相談支援センターにおいて、専門研修を修了した相談員による「重層的な相談体制」を構築し、どの窓口でも適切な助言が得られる仕組み作りを提案しました。加えて、交通事故や自営業、子供の復学など、受傷原因や生活背景によって支援が断絶しないよう、医療・就労・教育機関が一体となった「切れ目のない支援」の必要性を強調しました。関係機関や患者家族で構成される「地域協議会」の設置を県に働きかけるべきだと訴え、誰もが排除されない共生社会の実現に向け、財政的裏付けを伴うトップランナーとしての取組みを求めました。
【答弁の要旨】市は新法の趣旨を踏まえ、次期プランで支援指標を設定し実施状況を公表する考えです。相談体制については、専門研修を受けた相談員を配置し、関係機関と連携した支援に努めます。また、多様な課題解決に資する「地域協議会」の設置を県に働きかけるとともに、多分野が連携した切れ目ない支援体制の構築を推進します。