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高松市6月定例議会での代表質問質疑報告(要約)

2025年6月13日(金) 代表質問の項目
1.市民と共創の都市計画づくりについて
(1)地域別構想を検討する場を設ける考え
(2)サンポートFACTプロジェクトを拡充する考え
(3)鶴尾地区のまちづくりへの考え
2.四番丁スクエアの今後の利活用について
(1)市民参画を得てコンセプトづくりを行う考え
(2)今後のスケジュール
3.産業振興について
(1)コンテンツ産業を振興する考え
(2)官民共創で多様な働き方を提供する考え
4.観光振興について
(1)瀬戸内クルーズ振興への考え
(2)四国内の域内観光を推進する考え
5.5歳児健康診査実施に向けた取組について
6.SIB手法等を活用した健康寿命の延伸を支えるヘルスケアサービスを構築する考え
7.カーボンニュートラル推進について
(1)脱炭素先行地域への選定結果の受け止めと今後の取り組み
(2)地域脱炭素の実現に向け、J-クレジット制度を活用する考え

1.市民と共創の都市計画づくりについて

この春、高松市は県立アリーナ開業や瀬戸内国際芸術祭開催により、サンポート周辺の賑わいを通して、都市としての魅力向上を実感しました。この変革期において、中心市街地だけでなく、市内全域で誰もが住み続けられる持続可能な地域社会を築くことが不可欠です。そのためには、都市計画マスタープランと地域別構想の重要性が一層高まっています。
私はこれまで、地域公共交通や地域包括ケアの拠点整備など、広域的な視点での検討の重要性を指摘し、地域別構想策定における住民・事業者の参画を求めてきました。

(1)地域別構想を検討する場を設ける考え

来年度から次期都市計画マスタープランの見直しが始まります。この重要な時期だからこそ、子どもや若者、事業者も交えた「市民共創の都市計画づくり」が不可欠です。各地域の未利用公共施設についても、住民と共に適正な管理を検討すべきです。

A.市長の答弁
地域別構想を議論する場の設置など、望ましい市民参画の手法やあり方を検討する。

(2)サンポートFACTプロジェクトを拡充する考え

サンポートエリアでは、私が提言した住民参加の仕組みづくりが進展し、現在、官民連携の「サンポートFACTプロジェクト」による社会実験が重ねられています。今後は、都市再生推進法人の活用や子どもたちのワークショップ継続開催など、多様な市民が参画するプラットフォームを充実させ、公共空間の有効活用をさらに推進すべきです。

A.市長の答弁
これまでの官民連携から、民間主導による継続的な賑わいの創出が図られる方セクや仕組みづくりを検討する。

(3)鶴尾地区のまちづくりへの考え

鶴尾地区のまちづくりも喫緊の課題です。中心市街地に近く都市機能が充実している一方で、高齢化・人口減少が顕著なこの地域では、住民と共に未来のまちを検討することが急務です。中学校廃止から6年が経過した今、住民や事業者などを交えた合意形成の場を早急に設け、具体的な課題解決に取り組むべきです。

A.市長の答弁
他地区と比べて、人口減少の進行が顕著で、土地利用や生活環境面など種々の課題があることも十分認識している。地元の意見を伺いながら、本市として必要な対応を行う。

2.四番丁スクエアの今後の利活用について

四番丁スクエアは、高松市の中心部に位置する重要な公共施設です。私は平成24年からそのあり方について繰り返し質疑を行い、令和5年6月の代表質問では、市長がマニフェストで再検討を明記したことを受け、早期の方向性策定を求めました。しかし、2年が経過した現在も具体的な進捗が見えません。
今年2月に視察した「金沢未来のまち創造館」は、廃校を活用し、スタートアップ支援、子どもの独創力育成、食の価値創造を柱とした官民連携施設です。企画調整課がグランドデザインを描き、有識者や市民が参加してコンセプトを策定した点が特徴で、特に子どもたちの居場所「好奇心のまち」は本市の「放課後ファクトリー事業」にも参考になります。
高松市においても、未来を担う子どもや若者、有識者を交え、市民参画で四番丁スクエアのグランドデザインを策定し、未来志向の議論を進めることが重要です。

A.市長の答弁
本市の課題やこれからのまちづくりに何が必要かなど、幅広い視点で施設の利活用を考える必要がある。7月からヒアリングなど調査を行い、ワークショップの開催など市民の参画を得ながらとりまとめたい。

3.産業振興について

本市は今、物価高による生活苦を乗り越え、持続可能な地域を築くため、経済活性化と産業振興が喫緊の課題です。今年度、市内企業の所得伸び悩み要因調査を行い、産業振興策を検討する中で、私はSWOT分析の視点から二つの提案をいたします。

(1)コンテンツ産業を振興する考え

経済産業省は「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」を打ち出し、世界のコンテンツ市場規模は135兆円、日本の輸出額も5兆円と、鉄鋼産業に匹敵する規模です。アニメや漫画は訪日外国人観光客の「聖地巡礼」を促し、観光業にも波及効果をもたらします。京都市や天草市、札幌市などがコンテンツ産業誘致に成功しており、特に札幌の事例は、魅力的なワークライフバランスが誘致の鍵であることを示しています。高松市は瀬戸内国際芸術祭に繋がる創造都市としてのポテンシャルを秘めており、戦略的な取り組みでこの強みを活かすべきです。

A.市長の答弁
他自治体の事例も参考に、本市の強みを生かしたコンテンツ産業の振興に努めたい。

(2)官民共創で多様な働き方を提供する考え

公明党議員会派はこれまで、豊中市の就労支援事例を参考に、多様な働き方を提供する支援を求めてきました。総務省の調査では、家事・育児・介護との両立のため非正規雇用を望む人が985万人に達し、「スポットワーク」や「スキマバイト」市場が急拡大しています。民間サービスの手数料が高いという課題がある中、新潟県湯沢町や兵庫県淡路地域では、自治体が主導する単日・短時間就労マッチングプラットフォームで地域の人手不足を解消しています。本市でも今年度予算化された官民共創マッチング事業を積極的に活用し、多様な働き方を提供することで、地域の人手不足解消に繋げるべきと考えます。

A.市長の答弁
官民共創で多様な働き方を効果的に提供できるよう取り組む。

4.観光振興について

高松市では今年度、観光振興ビジョンの策定に向けた調査が予定されており、その一助として2つの提案をいたします。

(1)瀬戸内クルーズ振興への考え

高付加価値観光の核となる瀬戸内海クルーズの推進について、先日開催された「瀬戸内海クルーズシンポジウム」では、海外リバークルーズの成功事例や瀬戸内海クルーズの新アクションプランが紹介され、都市圏の「おとな女子」をターゲットにした「整う旅」としての需要の大きさも示されました。また、2027年春開業予定の「SUPER YACHT BASE KOBE」は、海外からのラグジュアリーボート誘致の拠点となり、高松港がその最初の寄港地となるよう、連携強化が求められます。私はこれまでも小型・中型クルーズ船やスーパーヨットの受け入れ環境整備の重要性を訴えており、今が瀬戸内海クルーズ推進の大きな好機と捉えています。

A.市長の答弁
更なる瀬戸内クルーズ観光の振興が図られるよう、県や関係団体などと連携して取組む

(2)四国内の域内観光を推進する考え

JTBの調査では、中国・四国地方の居住者の旅行先が隣接する近畿地方に分散する傾向が見られます。これは、北海道が高い域内観光率を示すのと対照的です。北海道の成功は、地域住民向けの割引制度などが要因と考えられます。高松市も、中国・四国地方の住民を対象とした地域限定の旅行割引や、地域を跨いだ観光キャンペーンの実施などを検討し、地域住民が域内の魅力を再発見できるような取り組みを進めるべきです。

A.市長の答弁
機会をとらえて、本市の魅力を四国内の方々に発信することで域内観光の推進に努める

5.5歳児健康診査実施に向けた取組について

私はこれまで、発達障害の早期発見・早期療育の重要性を訴え、その体制強化を求めてきました。国が2028年度までの全国実施を目指す「5歳児健診」は、発達障害の早期発見に有効な一方で、現状では健診後の相談やフォローアップ体制が追いついていません。
令和6年3月議会では、小児科受診の待ち時間の長さや情報共有の課題を指摘し、M-CHAT診断の活用や相談体制の強化、小児科専門医の招聘を提案しました。市長からは持続可能な支援体制構築への答弁がありましたが、その後の具体的な対応が不透明です。
2028年の期限を見据え、医師や専門スタッフの確保・育成は急務です。現在、障害福祉課と健康づくり推進課が連携していますが、こども家庭センターや病院局を含めた関係機関が連携し、プロジェクトチームを立ち上げて総合的に対応すべきと考えます。

A.市長の答弁
医師などの人材確保に加え、必要な支援につなげる地域のフォローアップ体制の強化が重要。組織横断的にしっかりと連携を取り、諸課題の解決を図り、2028年までに実施できるよう取組む。

6.SIB手法等を活用した健康寿命の延伸を支えるヘルスケアサービスを構築する考え

高松市では、高齢化や医療費増大などのヘルスケア課題に直面しています。これまでの行政主導のサービスだけでは限界があり、より効率的な解決策として、成果連動型民間委託契約(SIB)に注目が集まっています。
SIBは、八王子市の大腸がん検診受診率向上や、神戸市の糖尿病性腎症重症化予防、豊田市の高齢者介護予防など、全国で具体的な成果を上げています。
本市も特定健診受診率向上に努めていますが、健康寿命延伸にはさらなる取り組みが必要です。私は令和3年9月議会でSIB導入を提言し、当局からは検討するとの答弁がありました。市民の皆様の健康と安心のため、具体的な進展を求めます。

A.市長の答弁
市民の健康寿命の延伸に向け、SIB手法の活用も念頭に民間の知見を活用した具体的な検討を進める

7.カーボンニュートラル推進について

(1)脱炭素先行地域への選定結果の受け止めと今後の取り組み

地球温暖化対策は喫緊の課題であり、高松市も「脱炭素先行地域」選定を目指しましたが、残念ながら選定には至りませんでした。しかし、脱炭素と地方創生の同時実現は、本市の地域特性を活かす上で不可欠であり、諦めるべきではありません。
私は、高松港が古くから物流・人流の拠点であったことに着目し、港湾施設を中心とした脱炭素化モデルを提案してきましたが、県の「高松港港湾脱炭素化推進計画」策定を受け、本市の地域特性を活かした広域での取り組みが可能になると考えます。サンポートエリアからのEVバス・EV船導入など、民間事業者との協議案件も継続して推進すべきです。第7回「脱炭素先行地域」応募に向け、本市の明確な方針が求められます。

A.市長の答弁
各取り組みの課題整理を行ったうえで、実施が可能な事業を確実に進めたい。

(2)地域脱炭素の実現に向け、J-クレジット制度を活用する考え

2026年度に本格導入される排出量取引制度を見据え、「J-クレジット制度」の活用を提案します。これは、温室効果ガス削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度で、市有林の管理や公共施設の省エネ化によるクレジット創出、市内企業への販売を通じた脱炭素投資促進など、多様な活用が可能です。J-クレジットの創出・活用を市の脱炭素戦略に積極的に組み込むべきと考え、市長の見解を伺います。

A.市長の答弁
本市の地域資源をいかした藻場造成や森林保全などによるJ-クレジット等の創出・活用を進めるとともに、中小企業によるJ-クレジットの活用を促進したい。

詳しくは、議会録画中継をご覧ください。

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